飯田市の当初予算案、過去最大の536億円 リニア関連事業など増加

佐藤仁彦
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 長野県飯田市の2024年度の一般会計当初予算案は、市内で新駅建設が進むリニア中央新幹線の関連事業費に前年度より約4億5千万円増の24億円を盛り込むなど、大規模な事業費の計上が相次ぎ、過去最高の予算規模となった。リニア関連事業費に加え、「道の駅遠山郷」や上郷小の改修などの建設工事も重なった。

 当初予算案によると、24年度一般会計の総額は前年度比9・4%増の536億7千万円。このうち、リニア駅周辺整備事業では、駅前広場北側の埋蔵文化財調査や道路の用地補償を進める。次世代交通整備事業として、新駅と中心市街地を結ぶルートで、自動運転に必要なセンサーを搭載したバスを走らせる実証実験も行う。

 主な建設工事では、入浴施設が休業中で25年秋のオープンをめざす「道の駅遠山郷(かぐらの湯)」の改修などに6億1625万円を計上。上郷小の大規模改修と松尾東保育園の民営化に伴う園舎建設支援にも、それぞれ5億円超を充てる。

 市は今回、結婚や出産、子育てを望む人に寄り添う支援と、脱炭素化の推進という2点の施策に重点を置いて予算を編成。第2子を対象にした2歳児クラスの保育料無償化や、こども医療費の受給者負担の引き下げに乗り出す。

 2月20日の会見で佐藤健市長は「子育て支援は待ったなし。人口減に歯止めをかけるため積極的な予算を組んだ」と説明。「今後10年間、南信運転免許センターの関連事業や新文化会館建設など大きな支出が見込まれる。行革を一層進め、持続可能な財政運営に努めたい」と述べた。佐藤仁彦

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