豊能ダイオキシン問題「まだ途中」 埋め立て処理向け調査表明の町長
大阪府豊能町と能勢町でつくる豊能郡環境施設組合が運営していたごみ焼却施設「豊能郡美化センター」(廃炉)で起こったダイオキシン問題。1997年の発覚から、すでに四半世紀を超えた。
組合は、処理できずに残ったままだった廃棄物を埋め立てるための「遮断型処分施設」建設に向け、豊能町余野の役場に近い町有地でボーリング調査を行う方針を、地元自治会の理解を得たうえで決定。組合の管理者を務める上浦登・豊能町長は、4日に開会した町議会定例会で方針を表明した。
上浦町長はその後、記者会見を開き、「現状は地元の理解をいただき、ボーリング調査をするのが決まっただけ。まだまだ途中だと思っている」などと語った。報道陣との主なやり取りは次の通り。
――今日の発表は解決に向けた一歩と言えるか。
「大きな、大きな一歩だと思っている。ダイオキシンの問題は豊能町、能勢町の大きな課題の一つだった。この機会を逸することなく、地域の方々の理解をいただきながら、最大限の努力を進めたい」
――ボーリング調査を受け入れた地元自治会への思いを。
「苦渋の選択をしていただいたと思っている。大きな決断に敬意を表するとともに、感謝を申し上げる。行政がこれから責任を持って最大限の努力をする。地域住民とともに未来を見すえ、何とか解決に向けて進んでいきたい」
――住民と合意ができた理由は。
「ただ処分施設を造るのではなく、公共施設の再編と合わせて提案できたことが要因の一つではないか。地域の活性化につながると理解していただいた」
「私たちも地域の方々も、この問題を次の世代に残すわけにはいかないという思いは一致していた」
――処分施設建設に向けた今後の流れは。
「ボーリング調査をし、環境アセスメント(環境影響評価)をする。その後、地域の方々と意見交換したうえで、遮断型の処分施設を造る。現状は地元の理解をいただき、ボーリング調査をするのが決まっただけで、まだまだ途中だと思っている」
――ダイオキシンの問題が長期化したことの責任について。
「結果として、25年以上かかった町の責任は大きい。ただ、本当に多くの人が前に進めようと取り組んできた。(今回の発表に至ったのは)これまでの管理者や職員らが最大限の努力をしてきた結果だということは理解していただき、処分に向けて取り組んでいきたい」(田中祐也)
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