中国・全人代、閉幕後の首相会見「開かない」 数少ない対外説明の場

北京=斎藤徳彦
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 5日に開幕する中国の全国人民代表大会全人代、国会に相当)の前日会見が4日、北京で開かれた。報道官は、閉幕後の定例となっている首相による記者会見を、今年は開かないことを明らかにした。中国の政治を対外的に説明する数少ない機会の一つが、失われることになる。

 会見では、今年の全人代では外交や経済、民生についての記者会見を開くほか、各種の取材機会を設けることを説明した上で、「総合的に考慮した結果、今年は首相の記者会見は開かないことにした」ことが説明された。さらに、特殊な事情がない限り、来年以降の数年も首相会見は開かないともした。

 全人代にはコロナ禍の時期を除き、国内外から約3千人の記者が参加してきた。閉幕後の首相会見は、中国の指導者が外国を含めた記者の質問に答える数少ない機会となっている。昨年の全人代で首相に就任した李強(リーチアン)氏も閉幕後、初の記者会見に登壇していた。

 今年の全人代は5日から11日までの7日間の日程で開かれる。(北京=斎藤徳彦)

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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2024年3月6日11時12分 投稿
    【解説】

    中国共産党政権は「全過程民主」を主張しています。西側諸国の民主主義が選挙のときしか民意を顧みないのに対し、中国はそれと違って政治のあらゆる過程に民主性を持つ、より優れた政治体制だという論理です。  しかし、この記者会見の廃止は、政治の透明

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2024年3月4日20時3分 投稿
    【視点】

    国家主席が記者会見しない中国で、全人代閉幕後会見は定例としては唯一、首相が内外記者とやりとりする場でした。ナンバー2の声は必要ないという習氏の意思表示でしょうか。であれば、習氏が自ら会見すべきでしょう、「大国」を自認する中国。 これまでも

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