サウナ→凍った海で「究極の水風呂」北海道の大自然と絶景でととのう

原知恵子
【動画】サウナから凍った海へ「究極の水風呂」=原知恵子撮影
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 サウナで体を温めた後、水風呂代わりに凍った海につかる――。

 北海道・別海町で2月、そんなユニークなイベントがあった。

 会場は野付湾に面する尾岱沼(おだいとう)ふれあいキャンプ場。野付湾は水深の浅い内海で、厳冬期になると結氷する。今回は海辺にテントサウナを設置、「凍った海の水風呂」や外気浴を楽しめる趣向だ。

 「めっちゃととのいます!」

 「海の中は冷たいんですけど、出てきたら寒いはずなのにあったかくて。景色もいいし、言葉もない」

 参加者は口々に「最高」「スッキリした」と笑顔を浮かべた。

 運営にあたった北海道サウナ研究所(札幌市)の楠悠太郎さんによると、サウナの本場・フィンランドなどでは凍った「湖」に穴をあけてクールダウンする(=アバント)文化が知られ、北海道でも体験できる場所がある。

 ただ、「海」での体験となると、「北海道でここだけで、おそらく世界的にも珍しい。大絶景でのサウナは『生きている実感』を味わえる素敵な体験になると思います」(楠さん)。

 イベントは、凍った海の上を走る「別海アイスマラソン」にあわせて企画された。記者は、市民ランナーとして現地入りしただけの「サウナのど素人」。「オシャレな装備もないし、寒そうだし、素人なのにいきなり海は……」と躊躇したが、1500円という価格設定に背中を押され、水着代わりのランニングウェアで体験してみることにした。

 凍った海に足を踏み入れた時は痛いほどの冷たさで叫びそうになったが、全身つかってしまえば案外、いける(とはいえ、数秒であがって体をふいた)。

 当時の別海町の気温はマイナス2~4度。ほかの参加者が言うとおり、どう考えても寒い。なのに、外気を浴びていると不思議とあたたかかった。何より、雄大な景色が広がる「究極の水風呂」は爽快そのもの。できない理由をあれこれ考えて「打席」に立たなかったら、知ることのなかった感覚を味わえた。

 北海道サウナ研究所は、札幌を拠点にテントサウナの貸し出し事業をしたり、設営場所(湖・川・キャンプ場など)に関するアドバイスをしたりしている。楠さんは今後も、北海道の四季豊かな場所でのサウナ設置を研究していきたいという。問い合わせはホームページ(https://www.tent-sauna-club.com/別ウインドウで開きます)へ。(原知恵子)

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