自民、裏金や不祥事を陳謝 国民、政権交代に期待も 県連が定期大会

松尾葉奈 小泉浩樹
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 自民党の派閥の裏金事件などで岸田政権の支持率低迷が続くなか、自民と国民民主の県連が31日、それぞれ定期大会を開いた。自民は裏金事件や県選出国会議員の不祥事を陳謝し、新たな対策を発表。国民民主は自民への批判を強め、次の衆院選では比例東北ブロックで1議席獲得を目指すとした。

 自民党県連では、会長の藤原崇衆院議員(岩手3区)が清和政策研究会(安倍派)から政治資金パーティー収入の還流を受けていたとして謝罪したほか、党の若手議員らの懇親会で過激な演出のダンスショーがあった問題で3月8日、党青年局長を辞任した。

 盛岡市内のホテルで開かれた自民党県連の定期大会で、藤原氏は冒頭あいさつし、集まった県議や党員ら約360人を前に、「私自身の問題などもあり、ご支援いただいたみなさまの期待に応えられず、みなさまにも負担をおかけしている状況。改めておわび申し上げる」と陳謝し、頭を下げた。

 県連はこの日、政治資金規正法で使途の公表が義務付けられていない経費「組織対策費」を廃止すると発表した。裏金事件を受け、政治資金の透明性を高めるためとしている。

 一方、週刊誌で不倫疑惑を報じられ、県連から活動自粛処分を受けた広瀬めぐみ参院議員(岩手選挙区)は大会に参加しなかった。

 広瀬氏をめぐっては、勤務実態のない公設秘書に給与を支給していたと週刊誌が報じた。広瀬氏は3月23日、自身のホームページで記事は「事実無根」とし、「地元の皆様方にも大きなご迷惑とご不安を与えてしまいまして本当に申し訳ございませんでした」との談話を出した。

 大会終了後、報道陣の取材に応じた藤原氏は広瀬氏の公設秘書に関する報道に関して、「県連が事実確認を行ったところ、(広瀬氏)本人は否定しているが、まずは本人が説明責任を果たすことが大事」と話した。

 盛岡市内のホテルで開かれた国民民主党岩手県連の定期大会には、党代表の玉木雄一郎衆院議員(香川2区)が出席した。

 玉木氏はあいさつで、「今年は辰(たつ)年。万物が振動する年と言われ、政治もまさに激動振動の年になる」と話し、リクルート事件やロッキード事件が起きたのが辰年だと指摘。自民党派閥の裏金事件を批判し、「選挙に裏金が使われていたとしたら、この間の選挙は正当性がない。野党全体で厳しい政治改革の法案を提案して成立させる」と訴えた。

 定期大会には党員・サポーターら約60人が参加したほか、達増拓也知事や立憲民主党の横沢高徳参院議員(岩手選挙区)が来賓として出席した。

 連合岩手の伊藤裕一会長は「(解散総選挙は)早ければ通常国会会期末、遅くとも来年7月の衆参ダブル(選挙)と言われている。自民党の裏金問題や青年局の不適切な会合などが県内に影響を及ぼしており、絶好の勝機だ」と期待を込めた。(松尾葉奈、小泉浩樹

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