昨季王者の阪神、ついに初得点&初勝利 岡田監督「3連敗と大違い」

阪神タイガース

山口裕起
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 (31日、プロ野球 阪神タイガース5―0読売ジャイアンツ)

 ようやく、「0」以外の数字が阪神のスコアボードにともった。今季3試合目、通算26イニング目だ。八回2死一、三塁。3番森下翔太が初球の外角球を引っぱたくと、打球は左中間席へ伸びていった。

 先制3ラン。今季初安打でチームに初得点をもたらした森下は興奮を隠さない。何度も拳を握り、「完璧だった。最高です」。岡田彰布監督も立ち上がって万歳だ。

 昨季の日本一球団が、いきなりつまずいた。開幕から2試合連続で零封負け。開幕から18回連続無得点は1988年の阪神、23年広島と並んでリーグワースト。この日も七回まで1安打で、記録は25回まで伸びた。

 開幕前から選手たちは口々に、「昨年ほどうまくはいかない」。そう覚悟はしていた。が、ここまで本塁が遠いとは。好機をつくっても走塁ミスやスクイズ失敗で流れを手放した。王者の貫禄はなく、むしろ浮足立っているようだった。

 「普通にやろう」。この日の試合前。選手たちはベンチ裏で、監督が昨季から口にしてきた言葉を言い合った。八回1死から右前打で口火を切った代打小野寺暖(だん)は「やってきたことを出すだけ」。外角球に逆らわず流し打ちした。森下も「何も変えず自分のスイングを心がけた」。普通にプレーした先に勝利が待っていた。

 監督は「3連敗と1勝2敗では大違い」とホッと一息つき、「(今後も)今まで通りにやることをやるだけ」。シーズンは始まったばかり。「普通」を貫けるか、連覇のカギはそこにある。(山口裕起)

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