太陽光発電の急増によって、日中の電気は余るようになり、出力抑制や「ゼロ円電気」が続出している。電気を捨てるのではなく、安い電気を賢く使うにはどうしたらいいのか。電力・ガス取引監視等委員会の初代委員長で、アジア成長研究所理事長の八田達夫氏に聞いた。
――再生可能エネルギー、特に太陽光発電の出力抑制が急増している。
再エネの発電量が増えたことが大きい。しかし、昨夏はひっぱくしなかったことからも明らかなように、省エネが進み、電力需要が抑えられていることも一因だ。今後もその傾向は、ますます強まるだろう。
――日本では、欧米に比べて再エネの導入が遅れている。出力抑制を減らすにはどうしたらいいのか。
出力抑制が頻発している大きな要因は、市場価格の変動を十分活用させない制度があることだ。
例えば、FIT(固定価格買…