例年にない暖かさの一方…「何十年ぶり」2月では最大級の大雪 岩手

小泉浩樹 東野真和
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 沿岸地域を含む岩手県北部は27日、記録的な大雪となった。2月に入り、例年にない暖かさが続くなか、観測史上最大の積雪を記録したところもあった。

 岩泉町岩泉では27日、2月としては観測史上最大の64センチの降雪を記録した。

 町内の女性(73)はこの日、自宅で雪をかいて駐車場から車を出そうとしたが、あきらめた。「こんな大雪は何十年ぶりだろうか」。28日朝は屋根からの落雪が玄関をふさいで出られなくなり、裏口から回ってスコップで雪と格闘したという。

 27日はこのほか、沿岸の宮古市宮古で24時間降雪量が59センチとなり、2003年3月8日の記録(58センチ)を超え、観測史上最大となった。

 盛岡地方気象台によると、①発達した低気圧が日本の東に発生し、②その低気圧に向かって、北か北東の風が吹きつける。③そのタイミングで降水量が多く、④気温が低い――という条件が重なると大雪になるという。

 気象台の担当者は「春先に太平洋側で大雪が降ること自体はそんなに珍しいことではない。沿岸地域でも、10年に1回ぐらいは起こる現象」と話す。

 この冬は一方で、記録的な高温になっている。

 2月中旬の気象旬報によると、盛岡市の降水量は平年より多かったものの、平均気温は5度と、過去30年の平均より6度高かった。このため、内陸部では雪があまり降らず、降ってもすぐに溶けるという「異例の冬」になっている。小泉浩樹東野真和

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 温暖化による気候の異変を身近に感じることが多くなっています。真夏の猛暑や暖冬は、私たちの食や生活様式、折々の景色やレジャーなどに様々な影響を及ぼします。北東北の四季はいまどうなっているのか。随時お伝えしていきます。

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