ルッキズムを考える 「外見で判断」抜け出すには リロン編集部から

Re:Ron 編集部から

畑山敦子
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 外見で人を評価する「ルッキズム」。最近も麻生太郎自民党副総裁が上川陽子外相の外見に触れて批判を受けるなど、顔立ちや体形、肌の色などで人を判断する言説は絶えない。インタビュー企画「ルッキズムの向こうへ」で、根底にある偏見や差別を考えた。

 2月26日配信の①「ルッキズムで着なくなったピンク 私の価値を決めるのは」では、平均より大きなサイズを着こなすプラスサイズモデルの桃果愛さんが、学生時代に陰で太っていると言われて自分を押し殺した経験を語った。「一つの価値観によって『よい・悪い』を判断する見方はルッキズムにつながる」として、誰かに外見をジャッジされても関係ない、自分が自分のよさを信じることが大事と伝えている。

 同27日配信の②「『顔さえ良ければ』SNSが強める序列化 自分の身体好きでいるには」では、社会学者の高橋幸さんが、SNSは学歴など従来の尺度に関係なく「成功」できるルートを作り出した一方、外見がフォロワー数につながる感覚から「外見への評価的まなざし」が増幅され、新たな人間の序列化が起きたと指摘。ルッキズムは社会が抱える問題で「変わるべきは社会の方」だとする。

 同28日配信の③「『ハーフ』当事者たち、差別経験の語られ方 SNS分析で見えた葛藤」では、人種やメディアを研究する有賀ゆうアニースさんが、海外にルーツのある人に向けられる「日本人らしくない」という表現について分析。「こういう外見だから、人種だからと判断を押しつけることは、個人の生き方を制約することにつながっているのでは」とし、「アイデンティティーを多元的な視点でとらえる」ことの大切さを語っている。

 外見を「評価」するコミュニケーションから抜け出せるのか。私自身も問い続けたい。畑山敦子

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