浮かびあがる山林寺院の国際性 博多の海商が支えた福岡・首羅山遺跡

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編集委員・中村俊介
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 中世山林寺院といえば、文字どおり山深い地にあって俗界と交わりを絶ち、世間から隔絶された修行の場を思い浮かべる向きもあろうか。ところが九州で進む調査成果が一石を投じている。宗教施設だけにとどまらない、大陸文化に潤う国際的な一大交流センターとしての顔を浮かびあがらせつつあるのだ。

 その名は首羅山(しゅらさん)遺跡(福岡県久山町)。博多湾周縁の山中にあって、山頂からは海原を一望できる。平安後期に活動を始め、最盛期を迎えた鎌倉時代には300を超える坊を擁したと伝わる。造成された平坦(へいたん)地には壮大な礎石建物が建っていたという。

 近年は整備活用が進み、国史跡指定10周年を迎えた昨年の暮れには記念シンポが催された。再び発掘も始まっている。

 調査過程で研究者らを驚かせ…

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