震災と二者択一超えた議論を 在大阪オランダ総領事が語る万博論

有料記事近づく 大阪・関西万博

聞き手=編集委員・石合力
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 大阪・関西万博の開幕まであと400日あまりとなった。出展する外国政府は、パビリオン建設の遅れや開催の是非をめぐる議論をどう受け止めているのだろうか。在大阪オランダ総領事で万博の同政府代表を兼任するマーク・カウパースさん(56)に聞いた。

 ――能登半島地震が起きました。パビリオン建設に影響は出ていますか。

 「まず、元日に起きた地震の犠牲者への追悼と被災者への心からのお見舞いを申し上げたい。羽田空港の事故で亡くなった方にもお悔やみを伝えたい。建設の遅れが指摘されているが、参加国の間では、その段階はすでに過ぎた。大半の国は、パビリオンの運営など展示内容にシフトしつつある。オランダの区画は、1月12日に引き渡され、パビリオンの建設が始まった。年内にも完成する予定だ。スタッフの訓練や内装を含めて、開幕の1カ月前には準備が整う。開幕に間に合わないという見通しは悲観的過ぎる」

 「万博か復興かという二者択一ではないはずだ。日本では復興、万博以外にも各地で多くのプロジェクトが動いている。ドバイ万博は、世界的なパンデミックで1年延期して開催された。今回の地震がそれに該当するかどうか。どう優先順位を付けるかは日本の国民と政府の判断になる。機敏に回復する力を持つ日本なら支援が必要な人に十分な優先順位が与えられることになると確信している」

「日本に恋い焦がれている」「アニメなど関心高まっている」

 ――オランダ館の建築デザインや展示のテーマは。

 「水の中から太陽が出てくるような2階建てのデザイン。屋上から見ると、長方形の中央に球が入り、日の丸のように見える。(自前で建設する)タイプA。持続可能性も非常に高い。日本製の資材を使い、閉幕後にすべて再利用される」

 「テーマは『コモングラウン…

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