新政府軍が掲げた「錦の御旗」 製作の経緯を記した書簡、原本を確認

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西田健作
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 戊辰戦争の初戦となった鳥羽・伏見の戦い(1868年)で、新政府軍が掲げた「錦の御旗」(錦旗、きんき)の製作経緯が記された書簡の原本が見つかった。京都府立京都学・歴彩(れきさい)館(京都市左京区)に寄託された資料の中にあった。書簡の中身は既に知られているが、研究者は「内容を裏付ける貴重な一次史料だ」と話している。

 戊辰戦争で最初に掲げられた錦旗は、公家の岩倉具視の依頼で、薩摩藩士の大久保利通長州藩士の品川弥二郎が製作。薩摩・長州・土佐の各藩を中心とした新政府軍が官軍であることを示し、敵対した旧幕府軍の戦意を大きくくじいたとされる。その製作経緯は、品川が岩倉の秘書だった山本復一(またかず)に宛てた書簡の内容から知られていたが、原本の所在は不明だった。

 原本は、京都市在住の郷土史家、原田良子さんが確認した。歴彩館がウェブサイトで公開している資料の目録を見ていて、山本に関係する資料の中に「錦御旗 切レ地 品川弥二郎書状等」とあるのに気付いた。昨年12月に実際に閲覧し、錦旗の製作経緯を記した品川書簡の原本だとわかったという。

 書簡は、岩倉の伝記の編纂(…

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