絶食メコンオオナマズの「不器用な生き様」 13年間の観察で解明

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小坪遊
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 世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」と京都大学のチームが、13年間にわたり同館のメコンオオナマズ6匹を観察した成果を論文にした。長いものでは1年近い絶食をするなど不思議な生態がみられたという。

 メコンオオナマズは、その名の通り東南アジアのメコン川が原産。最大で全長3メートル、体重300キロにも達するとされる世界最大級の淡水魚の一つ。秋篠宮さまが長年研究している魚としても知られている。

 チームは、2004年にタイから輸入したオス4匹、メス2匹が日々食べたエサの量を17年まで記録。食事のリズムの解明に挑んだ。

 すると、1匹のメスをのぞいて、時折、1カ月を超える絶食が確認できた。最も長かったオスは、315日間何も食べなかった。その前の約2カ月半は2回30グラムのエサを食べただけで、ほぼ絶食の状態は391日に及んだという。

 さらに別にも344日間の「ほぼ絶食」の期間があった。ただ、16年に計測すると、このオスを含めて絶食した個体にも異常は見られず、すべてのオオナマズが成長していた。

 また、絶食期間を含めて、どんな周期でエサをとったりとらなかったりするのかを解析すると、316~395日を1周期とするパターンが検出できた。

 チームは、約1年を周期とするパターンや長期の絶食は、メコン川での雨期と乾期による環境変化への適応かもしれないと考えている。二つの季節の間には、大きな水位変動があり、水の濁り具合などによって水中への光の入り具合にも違いがある。それに伴ってオオナマズのエサ生物の状況も変わるからだ。

 同館の池谷幸樹館長は「やっ…

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