第6回アカハラ認定少ない「指導放置」 学生には深刻な問題、でも教員は…

 「教授がアドバイスをしてくれない」「メールに返事がない」といった不作為の行為も、「指導放置」としてアカデミック・ハラスメントになり得る。各大学のHPなどにも記載されているものの、ハラスメントとして認定されているケースは少ない。なぜなのか。広島大学ハラスメント相談室准教授の北仲千里さんに聞いた。

 ――指導放置の相談は多いのでしょうか。

 学生にとっては、指導放置はすごく深刻な問題です。「全然返事をくれない」「どれくらいの頻度で催促したらいいですか」といった相談が多くの大学で寄せられています。

 研究がストップしてしまい、そのせいで1年留年したり、実験データが古くなって最新の研究として発表できなくなってしまったりする例もあります。メールがなかなか返ってこないと、メンタルが不調になってしまうことも少なくありません。

 ――教員側は、その弊害を自覚していますか。

 学生にとっては深刻なのですが、教員にとっては能動的にハラスメントをしているわけではないので、気づきにくいという問題があります。私たちも「ネグレクト」と呼び、「こういうこともハラスメントですよ」と常々、広めています。

 ――ハラスメントとして認定されるケースが少ないように感じます。どうしてでしょうか。

 指導放置のハラスメント認定…

この記事は有料記事です。残り1916文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません