能登半島地震で激しい揺れに見舞われた石川県珠洲市若山町で、国土地理院は「最大2・2メートルの崖が出現した」と発表した。空中写真の分析から確認したという。若山川沿いの田んぼや道路を分断するように、幅100~200メートル、全長約4キロにわたって地面が隆起していた。
地理院によると、隆起によって川の水がせき止められ、川幅が広がったり、道路のアスファルトが2カ所でめくれ上がったりしていた。強い力がこの地域を南北方向に圧縮し、地面が盛り上がったと推測されるという。
近くに住む目久田(めくた)睦雄さん(81)は先月1日、地震で外に飛び出したところ、自宅の前に生えていた柿の木が地面ごと2メートルほど低くなっているのを見た。隣の墓場や田んぼも背丈くらい違っていた。思わず「ありゃー、地面がすごい下がっとる」と叫んだという。
ところが、東北大の原口強特任教授(地質工学)の調査では、地面が沈んだのではなく、家があった側が隆起していた。山で大きな地すべりがあり、その末端部分が盛り上がった可能性もあるが、地面が両側から強く押されて地層が波状に変形する「活褶曲(かつしゅうきょく)」の可能性が高いという。
原口特任教授は「地面が数秒…
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