順大から医師派遣 「漸増を強く希望」 県医療審が知事に答申

黒田壮吉
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 埼玉県が誘致を進める順天堂大医学部の新しい付属病院の誘致条件となっている医師不足地域への医師派遣をめぐり、県医療審議会は1日、順大の医師派遣計画では不十分として、「派遣者数を漸増させていくよう強く希望する」とする答申を大野元裕知事に提出した。大野知事は「県としても強く求めていきたい」と述べた。

 医師派遣は県内の医師不足解消のため、県が病院誘致の公募時に示した条件の一つ。同大は昨年2月に医師派遣を始め、今年1月には「開院2年後まで年2人、段階的に増やし開院5年後以降は年20人」などとする計画を示した。ただ、医療審の委員からは「少ない」との声が出ていた。

 答申は「順天堂が示した派遣者数を下回ることなく確実に実施すること」とした上で、「開院2年後まで2人では『派遣に積極的に協力する』とした公募条件を鑑みると、十分とは言いがたい」と指摘。派遣する医師についても、臨床研修医を含まない▽派遣期間は1年以上――などを求めた。

 県医師会長で、医療審でも会長を務める金井忠男氏は「医師派遣が着実に実行されるよう、県に実効性のある施策を実施するよう求めたい」と話した。大野知事は「真摯(しんし)に受け止め実行していきたい」と応じた。

 病院はさいたま市で2027年に開院予定。県はこれまでに、医師派遣の取り組みなどを勘案し、整備費用の一部を補助するとの確認書を順大側と交わした。医師派遣について協議を進めた後、費用負担などの議論を始めるという。(黒田壮吉)

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