輪島の中学生に参考書や文具送る 勝浦中学生が地元の朝市で寄付集め

能登半島地震

中野渉
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 能登半島地震で被災した石川県輪島市の3校の中学生に向けて、千葉県勝浦市立勝浦中学校の生徒たちが寄付金を集め、参考書やノートなどを購入して現地へ送った。ともに朝市が有名で、窮状を知った勝浦中の生徒らが「支援したい」と声を上げた。

 輪島朝市は、勝浦市や岐阜県高山市の朝市とともに「日本三大朝市」といわれる。今回の地震で朝市が開催される市街地は大規模火災が発生。3つの市立中は避難所となっている。

 中学生約400人のうち約250人が親元を離れ、約100キロの距離のある県南部の白山市体験学習施設に集団避難し、近くの学校で授業を受けている。

 こうした状況を受け、勝浦中の生徒会の生徒が、共通して朝市が有名な輪島の力になりたいと岡安和彦校長に相談。岡安校長が輪島中の永草正彦校長に連絡して尋ねると、問題集・参考書や文房具などの学用品、応援メッセージの要請を受けた。

 生徒会役員とボランティアの計15人の生徒が中心となり、13、14日には勝浦の朝市通りで寄付金を募った。観光客らから「がんばって下さい!」などといった約250枚の応援メッセージも集まった。

 勝浦中の生徒と教職員も計約290枚のメッセージカードを書いた。

 「負けずに元気で過ごして下さい」「不安が少しでも早く無くなるように勝浦の空から祈っています!」「三大朝市の復旧祈る!雲の上はいつも晴れ」

 一日も早い復旧を願って、励ましの言葉を寄せた。

 校内でも寄付金や未使用の学用品を募り、卒業生にも協力を呼びかけた。地元事業者や個人からの寄付もあり、集まったのは計約235万円。この寄付金などで中学1~3年生用の5教科の参考書計1400冊や新品ノート900冊といった文房具も用意できた。

 生徒らはメッセージを大きな紙に貼り付け、荷造りを進めた。段ボール60箱にもなった支援品は24日に発送、翌25日に現地に到着した。

 輪島中の永草校長によると、段ボールを開けた生徒たちはうれしそうに参考書やメッセージを手にしたという。

 永草校長は「勉強ができるか不安に思っていた生徒たちも喜ぶ。勝浦中や勝浦市民の皆さんには感謝している」と述べた。

 勝浦中生徒会役員の2年、笠原恋莉(ここり)さん(13)は「被災地のみなさんはつらいと思う。少しでも光を届けることができればと思って活動し、周りの人たちにも協力してもらった。明るい輪島を一日でも早く取り戻してほしい」と話している。中野渉

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