福山のリトアニア名誉総領事館、杉原千畝の「命のビザ」を展示

西本秀
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 広島県福山市東深津町4丁目、福山通運本社内にある「リトアニア名誉総領事館」に25日、同国の文化や歴史を紹介する展示室が完成した。第2次大戦中、リトアニアに駐在していた日本の外交官・杉原千畝(ちうね、1900~86)がユダヤ人に発給した「命のビザ」の実物も紹介されている。

 同社の小丸成洋(しげひろ)社長が以前、リトアニアの経済視察団を案内した縁で名誉総領事を務めてきた。今回は、本社1階ホールの一部、約60平方メートルを改装。琥珀(こはく)細工や仮面などリトアニアの民芸品や伝統衣装、写真パネルなどを展示している。

 「命のビザ」は、東京のリトアニア大使館の協力を得て、本国から提供を受けた。迫害を恐れ、日本への渡航・通過を望むポーランド国籍のユダヤ人夫妻に、1940年に発給されたビザを展示。裏側に、杉原の漢字のサインがある。

 25日の完成式典で、小丸名誉総領事は「リトアニアの文化や歴史に触れて、身近な国と感じてほしい」とあいさつ。オーレリウス・ジーカス駐日大使は「日本国内で初めての施設。両国の友好にとってとても貴重だ」と語った。展示室は一般の見学も受け付ける。

 完成式典には、ポーランドやドイツオランダの大使や公使も出席した。大使らは、アウシュビッツ収容所が解放された1月27日の記念日に合わせて、福山市御幸町にある「ホロコースト記念館」で26日に開かれた追悼記念式典にも参列した。西本秀

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