校歌代わりに歌い継がれた児童・教員手作りの歌 28日に高松で披露

武田肇
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 【香川】瀬戸内海に浮かぶ大島にある高松市立庵治第二小学校(2018年から休校)には校歌がなかった。でも、37年前に児童2人と担任教諭が作詞・作曲した歌が、校歌のように受け継がれてきた。28日に高松市のレクザムホールであるイベントで、シンガー・ソングライターの沢知恵さん(52)=岡山市=が披露する。

 歌の名前は「みんなの庵治第二小学校」。2番まであり、1番の歌詞はこうだ。

 ♪小さな島 小さな学校 みんなで心あわせて 進んでいこう 山や海に囲まれて みんなたくましく生きる それが庵治第二小学校

 大島には国立ハンセン病療養所「大島青松園」があり、庵治第二小にはその職員らの子どもが通った。

 新任教員として勤務した安部忠明さん(63)=高松市=によると、1986年に当時5年生の池上秀一さんと永吉真都香さんが作詞した。曲は担任だった安部さんがもとは「児童会のうた」として作った。安部さんは大学時代、吹奏楽団で活動した経験があった。

 安部さんは「当時の児童数は12人で、まさに二十四の瞳。合同で運動会を開くなど、自然な形で入所者と共生していた。歌詞には、大きな学校のまねをするのではなく、この島だからできることを目指したまなびやの特色が表れている」とふり返る。

 その歌が広く知られるきっかけになったのは2013年。大島青松園で毎年コンサートを開いていた沢さんから「自分のCDに入れたい」と安部さんに連絡があった。沢さんが歌をよりポップに、躍動感があふれるようにアレンジし、代表曲の一つとなった。

 安部さんは昨夏、大島青松園で沢さんが歌う「みんなの庵治第二小学校」を生で聴いた。「入所者を含めて観客に温かく受け入れられている姿を見て、大島青松園の歌になったと感じました」

 28日にあるイベント「スマイルフェスティバルinたかまつ」は、様々な人権問題について考えることを目的に市教委などが開く。沢さんのコンサートもあり、そこで再び披露される。児童と交流した入所者の東條高さんも駆けつける。午後1時~3時半、入場無料。(武田肇)

     ◇

みんなの庵治第二小学校(池上秀一、永吉真都香:詞/安部忠明:曲)

小さな島 小さな学校

みんなで心あわせて 進んでいこう

山や海に囲まれて みんなたくましく生きる

それが庵治第二小学校

ぼくらの島 ぼくらの学校

みんなの力あわせて 進んでいこう

夏は海で泳ぎましょう 秋は落ち葉で焼きいもだ

それが庵治第二小学校

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