1月1日に起きた能登半島地震では、石川県の志賀町で震度7、珠洲市、輪島市など複数の市町で震度6強が観測された。
ただ、気象庁が発表している震度は、あくまで震度計が置かれた場所、「点」の情報だ。実際は、志賀町以外でも震度7にあたる揺れが襲った可能性がある。
「震度7相当のところでしか見たことがない」。愛媛大の森伸一郎特定教授(地震工学)は、17日に開いた現地調査のオンライン速報会で、いくつかの地点の被害の特徴について、こう説明した。
森さんは地震後、3~7日に現地を緊急調査した。地震発生直後、能登半島北部の複数の地点が震度6強で、データが送られず震度が「未入電」とされている地点も複数あるのを見て、「とんでもないことになる」ととらえた。多くの木造家屋が倒壊していることが懸念された。
実際、現地に入ると古い木造家屋の倒壊が相次いでいた。道路も激しく壊れていた。
珠洲市の鵜飼地区では、古い木造家屋が軒並み倒壊しているところがあった。近くの墓地では墓石の95%が倒れており、遠くへ飛んだものもあった。台の部分が数十センチずれたものも多かった。
「これまでの調査では、震度7相当のところでしか見たことがない。少なくとも6強以上、震度7に相当するような揺れがあったと理解した」と森さんは報告した。
穴水町の穴水駅近くでは、コンクリート製の電柱が折れ曲がっていた。むき出しになった鋼線にさびはなく、健全な状態だった。
液状化の起きにくい地盤にもかかわらず、道路の舗装が押され、めり込むように重なり合っていた。側溝のコンクリート製のふたも落ちていた。
これらの特徴も、震度7、少…
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