Z、ゆとり、ロスジェネ…「世代論」を問い直す リロン編集部から
若者を取り上げる記事や見出しで「Z世代」という言葉を使うべきか、悩む。自分は1983年生まれで「ロスジェネ」と「ゆとり」と言われる世代のはざま。象徴的な言葉であるがゆえに、過剰に消費されている感もあり、世代でくくることへの抵抗もあった。
大手広告会社は昨年、年齢による好みや価値観の違いが消えつつあるとの調査結果をまとめ、「消齢化」と名付けて発表した。
自省も込めて、「世代論」はそもそも必要か、どう向き合えばいいのか。押しつけの世代論とは違う新たな連帯の形を探れないか。そんな思いで世代論を問い直す「Re:世代論」を企画し、今月9日から5本の記事を配信した。(https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=805)
95年生まれのノンフィクションライター、ヒオカさんが世代による違いを感じるのは「ハラスメントへの耐性」だという。一方、世代でくくることが若者の中に存在する格差を見えなくしてしまうことに警鐘を鳴らす。「#Z世代的価値観」の著者、竹田ダニエルさんは日米の「Z世代」を分析。マーケティングアナリストの原田曜平さんは「若者研究は未来研究」であるとし、世代論は「未来予測」として活用すべきだと提案する。社会学者の富永京子さんは「若者の社会運動」へ熱い視線を送る風潮を読み解く。
世代論を考えることは、社会の変化や未来に向き合い、自らがよって立つ価値観を相対化することにもつながる。リロンでは、さらに「Z世代」「ロスジェネ」の当事者、世代間倫理を考える研究者のインタビューを配信予定だ。(リロン編集長・佐藤美鈴)
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- 【視点】
人間は言葉を使う生き物です。世界に境界をいくつも作ることで、世界をわかりやすくするのが言葉というツールの一つの役割。 では、どういうふうに境界を作るかというと、基準になるのは空間と時間。世代論というのは、同じ空間を共有する複数の人間の
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