岸田派解散、所属議員は 小林氏「自らけじめ」寺田氏「誠に残念」

西本秀 根本快
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 岸田文雄首相が解散を表明した「宏池政策研究会」(岸田派、46人)。派閥の政治資金パーティーをめぐる事件に厳しい視線が注がれる中、同派に所属する広島県内選出の議員は釈明を行った。有権者からは、根本的な政治改革を求める声があがった。

 「有権者は不信感を抱いている。国会議員としておわびを申し上げたい」

 岸田派に所属する小林史明衆院議員(40)は地元の福山市に戻った20日、報道機関の取材に応じた。派閥の政治資金問題について謝罪したうえで、「派閥解散に賛同している。改革を進めるにあたって、自らけじめをつけて、新たなスタートを切る」と語った。

 支持者からも「民間ではお金をきっちり処理しなくてはならないのに、なぜ政治団体は不透明なことが許されるのか」という怒りの声が届いているという。

 小林氏は、岸田首相(党総裁)が立ち上げた政治刷新本部の事務局長代理を務めている。「政治資金規正法に違反した場合の厳罰化や、政治家本人が責任を取る仕組みなどについて議論になる」と語った。

 3月に福山市内で計画している個人の政治資金パーティーについては、「うちの事務所は法律を守っている。活動費用を銀行口座で管理をして、透明化をはかっている」として、予定通り開催するという。

 宏池政策研究会は宏池会と呼ばれ、竹原市出身の元首相・池田勇人氏(1899~1965)らが1957年に結成した。保守本流の系譜にあり、ハト派で経済重視の政策志向で知られる。県選出議員からは、宮沢喜一氏(1919~2007)も会長を務めて首相となるなど、広島と同派の縁は深い。

 岸田政権下で総務相に起用された寺田稔衆院議員(65)の妻は、池田元首相の孫にあたる。

 寺田氏は「政治改革はすすめなければならないが、私の地元発の歴史と伝統ある政策集団宏池会が解散の方向であることは誠に残念。志を同じくする同志メンバーと政策の研鑽(けんさん)はつづけていきたい」とのコメントを19日に出した。

 有権者は何を思うのか。広島市中区八丁堀にある岸田首相の事務所近くで聞いた。

 広島市中区の無職男性(78)は、「資金問題を起こしたからには、解散もやむを得ない。根本的に政治を改革してくれる政治家が出てくることを期待したい」。安佐南区の公務員の60代男性も「けじめをつけて(宏池会は)解散すべきだ。岸田首相には指導力を発揮して欲しい」と話した。

 中区の自営業男性(64)は、派閥の解散を選択したことは良い判断だったとしつつも、「またすぐ同じような集団は作られるだろう」と話した。西本秀、根本快)

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