オリンパスの工場新棟、辰野町に完成 内視鏡向け電子部品生産へ

佐藤仁彦
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 精密機器大手のオリンパス東京都)が、長野県辰野町伊那富にある長野事業場の隣接地を取得し、建設していた工場の新棟が完成した。総投資額は約98億円。新工場では内視鏡に組み込む小型の電子部品を生産する。9月からの稼働を目指している。

 同社は辰野町と伊那市にある長野事業場を、医療機器の主要製造拠点としている。なかでも胃腸の検査で使う消化器内視鏡の製造では、世界シェアの7割を占めるという。

 これまで電子部品を生産していた同事業場の工場は築40年以上で、老朽化が進んでいた。同社は2022年、辰野町に約8万平方メートルの工場用地を購入。建設を進めていた免震構造の鉄骨3階建て新棟が完成した。

 新棟の1階には、電子部品を組み立てる「クリーンルーム」を整備。省エネ型の空調システムを導入し、ちりのない清浄な空気を保つ。生産スペースは隣接する既存工場の約1・6倍の広さを確保し、将来の増産に対応できるようにした。

 2階には食堂ラウンジやインフラ設備室、3階にはリモートワーク用の会議室や打ち合わせコーナーを設けた。

 16日に開かれた竣工(しゅんこう)式に出席した同社の小林哲男・執行役は「優れた耐震性をもった新棟の完成で、安定生産の体制強化が図れた。環境面や働きやすさに配慮した構造となっており、生産性の向上も期待できる」と話した。佐藤仁彦

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