メルカリ賃金に「説明できない7%の男女格差」 原因探ると転職時に

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編集委員・沢路毅彦 聞き手・藤えりか
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 「男女の賃金に7%の『説明できない格差』がある」――。こんな社内調査の結果をフリマアプリ大手のメルカリが昨年9月に公表しました。格差の原因を探ると、採用する時の基本給の決め方に課題があることが浮かび上がりました。

 メルカリの社員はグローバルで約2100人、そのうち国内は1700人を占める。女性の割合は、3割を超える。

 職種としては、エンジニアが4割弱いるが、女性は少ない。それ以外は管理部門やサービスの企画などの職種になる。

 メルカリでは、賃金を人数で割った単純計算で男女の平均賃金の差は約37・5%になるという。主な要因は経営陣や高いグレード(等級)に男性が多いことが理由だとしている。

 しかし、さらに分析したところ、職種や業務内容の違いでは「説明できない格差」が約7%あることが明らかになった。

 きっかけは2022年12月、ジェンダー平等の取り組みを評価するスイスの「EDGE認証財団」の認証を取得したことだった。取得にあたって、男女の賃金格差を専門家に依頼して統計的に分析してわかったという。

 なぜ格差があるのか。原因として考えられたのが入社時の基本給の決め方だった。

 メルカリの社員は、9割以上…

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    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2024年1月22日7時0分 投稿
    【視点】

    前職の賃金水準が、現職の賃金水準を規定してしまう問題は、海外でよく指摘されてきました。アメリカでは、採用時、求職者に給与の履歴を聞くことを禁じている州もあります。 前職の賃金額に基づいて転職後の賃金額が決まってしまうと、相対的に賃金の低い

    …続きを読む