この世のものではない? 極寒の零下10度の夜、気になって戻ったら

有料記事

小幡淳一
[PR]

 対向車線上に、座り込む人影のようなものが見えた。

 一瞬、恐怖がよぎった。

 この世のものではない、見てはいけないものを見てしまったのではないか、と思った。

 だが、どうしても気になった。

 2023年12月21日午後11時過ぎ、岩手県北部に位置する葛巻町の中心部。

 同町の松山一広さん(60)は約30分前にお歳暮配達のアルバイトが終わり、国道281号を愛車のSUVで帰宅する途中だった。

 いったん通り過ぎたが、約10メートルバックして横付けした。

 そこで見つけたのは、お年寄りの女性だった。

 道路の真ん中で、両手をだらんと下げ、足を伸ばしてぺたんと座っていた。

 服装は薄いピンク色の上下パジャマ。うなだれているようにも見えた。持ち物はなかった。

 気象庁によると、当時の同町の気温は零下10度。かなり冷え込み、路面は凍結していた。

厳寒の夜、アルバイト帰りの男性が見たのは、パジャマ姿で道路上に座り込んでいた高齢女性だった。一体、なぜ? 男性はすぐに近寄り、優しく声を掛けた。

 周辺は商店や住宅が並んでい…

この記事は有料記事です。残り988文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら