第2回長田区も輪島市も木造住宅延焼 「消防車は来ない覚悟」で訓練する町

日本では、いつどこで大地震が起きるかわからない。能登半島地震の被害全容は今も明らかになっていない。首都直下地震は今後30年以内に70%の確率で起こるとされる。どうすれば被害を減らせるのか。都市部が襲われ、6434人が犠牲となった1995年の阪神・淡路大震災の遺族や消防士、専門家のメッセージを伝える。

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 能登半島地震では石川県輪島市で大規模火災が発生し、地元消防によると約200棟が焼損。国は、首都直下地震後の火災による死者を最大1万6千人と想定する。(風速8メートルの冬の夕方に発災した場合)。

 どうすれば被害を減らせるのか。神戸市長田区も輪島市も、古い木造住宅が多い地域で火災被害が起きた。国土交通省によると、大規模延焼などの危険が特に高い「地震時等に著しく危険な密集市街地」は全国に1875ヘクタール(2022年度)あり、燃えにくい建材を使った集合住宅への建て替え、道路の拡幅、公園の設置などで延焼のリスクを下げる必要がある。

 出火の防止策も大切だ。消防庁は、地震時に自動で通電を遮断する感震ブレーカーの家庭への設置を勧める。数千円の簡易型もある。阪神・淡路大震災では停電の復旧時に損傷した配線や家電から出火する「通電火災」が少なくなかった。家屋倒壊は、配線の損傷といった出火原因になる上、避難の妨げにもなるため、建物の耐震化も重要だ。

【動画】阪神・淡路大震災 神戸市長田区の火災が広がる様子

住民の初期消火も重要 東京都北区の取り組み

 関澤愛・東京理科大教授(都市防災)は、住民の初期消火も大切だとする。自治体消防の「消防力」を超えた火災が発生すると、延焼する地域が出る。他の自治体からの消防広域応援も道路事情などで現地入りに時間を要する可能性がある。

 関澤教授は「延焼防止には…

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