採用試験を年2回に 4月に1回目実施して優秀人材を確保 岩手県警

小幡淳一
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 岩手県警は大学を卒業した人、卒業見込みの人を対象とした「警察官A」の2024年度の採用試験を見直す。受験の機会を年1回から2回に増やして、日程を4月に早める。少子化の影響で就職希望者が減っている中、貴重な人材が民間企業やほかの公務員に流出するのを防ぐのが狙い。県警の担当者は「県民の安全安心を守る優秀な人材確保に向けた取り組み」と期待している。

 23年度の採用試験の受験者は過去最低の254人(前年比27人減)で、530人だった15年度の半分以下になった。

 民間企業の採用活動は早まる傾向にあり、多くの新卒者は夏には就職先が内定している。県警の場合、従来7月から試験を始め、最終合格が9月。この日程では就職活動の期間が長くなり、「進路決定が遅くなる」という不安の声が多かった。また、県警の合格発表前にほかで内定通知を受け、受験を見送る可能性も指摘されてきた。

 採用試験の年2回実施は全国の地方警察で主流になっている。だが、宮城県警など1回目の試験を5月に行うのが一般的で、4月に実施するのは警視庁など限られているという。岩手県警はより早い日程を組み、人材を確保したい考えだ。

 24年度の試験は4月21日と9月22日にあり、4月の試験は3月1~22日に申し込みを受け付け、最終合格発表は6月21日。

 また、採用チームではX(旧ツイッター)やインスタグラム、ユーチューブを活用して情報を発信。警察学校で模擬授業や訓練を受けられる機会を設けるなどして、警察官の魅力を広める取り組みも進めている。

 問い合わせは直通のフリーダイヤル(0120・204034)へ。県警のホームページでも募集案内などを紹介している。(小幡淳一)

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