第4回家族の思い出と墓は弾薬庫地区に 甥の借金で失った4姉妹の軍用地

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 沖縄本島中部の「嘉手納弾薬庫地区」は、沖縄市、嘉手納町、読谷村など2市1町2村にまたがる約26平方キロメートルの山林や原野に米軍の弾薬庫が点在する。その約半分は民有地だ。

 基地に通じる細い道を入っていくと「農耕者以外 立入を禁ずる」と書かれた看板が立てられていた。基地内に残る田や畑を耕作することが認められる「黙認耕作地」があるためで、畑など農作業をする人は行き来が認められている。

 そんな農地と山林のうち計約5500平方メートルはかつて、読谷村などに住む4姉妹が共有で所有していた。

 姉妹の1人(66)によると、基地の土地は田やサトウキビ畑、茶畑だったという。子どものころは家族で基地内に入って畑を耕し、山菜採りをして楽しんだ思い出がある。基地内には墓地もあり、墓を移す2021年までは毎年お参りをした。農地と違い住所、氏名などを届け出て許可をもらい、決められた日時に一族で基地に入り、銃を持った米軍兵に監視されながら墓参したという。

 女性は「先祖から守ってきた…

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