自身の「正義」押しつける独裁者に変貌 国民の声無視するプーチン氏

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 みなさん、こんにちは。今回は、12月14日にプーチン大統領が4時間にわたって出演した生テレビ番組を取り上げます。

 番組のタイトルは「年末総決算、ウラジーミル・プーチンと共に Итоги года с Владимиром Путиным」。

 毎年恒例行事となっている年末の大型記者会見と、近年は6月ごろに行われるのが通例となっていた国民との対話番組を、今年は同時に開催したのです。

 昨年はウクライナでの戦況がロシアにとって思わしくなく、いずれの行事も中止されました。しかし今年は、6月以降のウクライナの反転攻勢は目立った成果を上げられず、状況がまったく変わりました。

 なにより、来年3月には大統領選を控えています。プーチン氏は、絶対的な指導者としての存在感を示すためにも、番組に出る決断をしたのでしょう。

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プーチン氏が望んでいること

 番組が始まって間もなくのこと。司会者が、ロシア国民だけでなく、世界中が大きな関心を抱いている質問をぶつけました。

 「平和はいつ訪れるのでしょうか?」

 プーチン氏の回答は、私を失望させるものでした。

 「平和は、我々が目的を達成…

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