第2回切り刻まれた軍用地、増える在庫 買った人は「現地を見たことない」

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 「斜面ですね。ここはだめだなあ」

 沖縄県内に住む公務員の男性(36)は、本島中央部の金武町にある米海兵隊の「キャンプ・ハンセン」の脇の道路で腕組みをしてつぶやいた。目の前には小高い丘があり、斜面は雑木林になっている。軍用地だが、基地のフェンスの外にあり、近づくことができる。図面上、その斜面を少し登ったところに、男性が2022年11月に買った41平方メートルの土地がある。

 男性に取材した際、写真を撮りに行くと話すと、「現地を見たことがないので行ってみたい」というので同行してもらった。買った土地を初めて見た男性ががっかりしたのは、もしキャンプ・ハンセンが返還されたら活用が難しい土地だと知ったからだ。

 男性は賃借料が年約3万円のこの土地を約150万円(50倍)で買い、「金武町軍用地地主会」に入った。比較的低金利で借りられる「軍用地主ローン」を使い、23年3月には、さらに読谷村の「嘉手納弾薬庫」の141平方メートルを約600万円(50倍)で購入。「ハンセンはローンを使うために買った。元本の返済も含めると20年は赤字だが、将来の収入を確保するためなので気にしていない」と話す。

短冊形・碁盤の目…広い区画を細かく

 通常の不動産は現地を見てか…

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