悩ましい墓じまい、増える無縁遺骨 弔いの「いま」と「これから」

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 高齢化や核家族化が進むなか、お墓の管理ができない、家の跡継ぎがいないなどの事情から「墓じまい」をする人が増えています。引き取り手のない「無縁遺骨」の増加も深刻化しています。11月27日に配信した記者サロン「墓じまいを考える」では、こうした問題に詳しい記者とデスクが、遺骨や弔いをめぐる「いま」と「これから」について語り合いました。

【12月29日まで配信】記者サロン「墓じまいを考える」

今回の記者サロンは29日まで何度でも視聴できます。朝日新聞を定期購読されている方、朝日新聞デジタルの有料会員の方は無料。申し込みは募集ページから。

 今回の記者サロンは、連載「『無縁遺骨』を追う」「大名家の墓じまい」を書いた森下香枝記者と、デスクワークをした三橋麻子・編集担当補佐が出演。前田直人・朝日新聞デジタル事業担当補佐、浅沼愛・朝デジ事業センター部員が聞き手を務めました。

死亡届を出すのにも一苦労

 ――無縁遺骨の連載を書いたきっかけは。

 森下 俳優の島田陽子さんが昨夏亡くなったのですが、遺体の引き取り手がなく、行政によって荼毘(だび)に付されました。昨秋には、以前からお付き合いのあった皇室ジャーナリストの渡辺みどりさんが自宅で「ひとり死」。一線で活躍された方々も、こういうかたちで亡くなることがあるのだと驚き、三橋補佐の助言もあって本格的に取材を始めました。

 三橋 森下記者が撮影した、引き取り手のない遺骨が並ぶ部屋の写真に驚きました。故人の名前は書かれている。名前は分かるのに、引き取り手がない。血縁・地縁が薄れている社会の究極の姿のように感じ、報じるべき問題だと思いました。

 ――取材で特に印象的だったことは。

 森下 一人暮らしで身寄りがなかった渡辺さんの場合、死亡届を出すのもひと苦労だったそうです。死後数日たって発見されたため「異状死」として解剖され、希望した献体もかなわなかったことや、遺言書はあっても想定外のことが多々あったと知りました。「想定外」への備えも必要なのだ、と教えられました。

 ただ、一周忌では多くの友人…

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