ガス料金が変動しない地域のナゾ 地下に眠る800年分のエネルギー

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中野渉

 為替変動や地政学リスクから、常にエネルギーの価格高騰に悩まされる日本。ところが、千葉県内にはこの10年間、ガス料金が据え置かれたままの地域がある。

 「ガスはかなりの量を使っているけれど、料金を気にしたことはないね」

 房総半島中部の太平洋側にある同県茂原市で、日本料理「竹りん」を開店して45年になる新沢敏夫社長(74)はそう話す。世の中の物価や人件費が上がるなかで「助かる」という。

 ロシアのウクライナ侵略や円安に伴うエネルギー価格の高騰で、全国ではガス料金は大幅に値上げされ、家計を直撃してきた。総務省の小売物価統計調査によると、東京23区の一般家庭の使用量相当の都市ガス代は、今年1月には平均7434円で、前年同月比の5395円から38%(2039円)も上昇する場面もあった。

 一方、茂原市に本社がある「大多喜ガス」は、同市をはじめ千葉市や市原市など9市町村の約17万戸や工場、学校などに都市ガスを供給しているが、同社の料金は2013年に値上げして以降、ほとんど変わっていない。現在、平均的な家庭の月額料金は外房で4742円という。

 関東地方南部一帯の地下には…

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