マンション管理会社の元担当者を不起訴へ 逗子市の斜面崩落死亡事故

原晟也 阿部育子
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 神奈川県逗子市マンション敷地で2020年2月、斜面が崩れて県立高校の女子生徒(当時18)が土砂の下敷きになって死亡した事故で、横浜地検横須賀支部は、業務上過失致死容疑で書類送検されたマンション管理会社の元担当者の男性を不起訴にする方針を固めた。遺族の代理人弁護士が取材に対し、担当検事から説明を受けたと明らかにした。

 事故は20年2月5日朝に発生。元担当者は事故前日にマンション管理人から「現場の斜面に亀裂がある」と電話で報告を受けたが、必要な安全措置を取らなかった疑いがあるとして、今年6月に書類送検されていた。

 遺族側の弁護士によると、11日に担当検事から連絡があり、事故の予見可能性を立証するのが難しいとの説明があったという。遺族は弁護士に「刑事裁判にかけないのは理解できない。被害者として裁判に参加する権利すら奪われた」と話したという。

 事故を巡っては、遺族がマンション住民や管理会社らに損害賠償を求めて横浜地裁に提訴。住民側とは和解した一方、管理会社との訴訟は15日、判決が言い渡される。(原晟也、阿部育子)

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