大学ファンドは「従来とは異質な制度」 経済学者が指摘するリスク

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聞き手 論説委員・黒沢大陸
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 日本の大学の研究力を強化しようと、政府が作った「大学ファンド」。10兆円規模のお金を証券市場で運用し、その運用益で、選ばれた大学を資金支援する仕組みです。ただ、経済学者の原田喜美枝さんは「従来とは異質な制度」のため政府審議会でも異論が相次いだとして、安定運用の必要性を強調します。

はらだ・きみえ 1968年生まれ。中央大学教授。専門は金融論、経済政策など。財政制度等審議会財政投融資分科会など政府審議会の委員も歴任。

 大学ファンドは、政府のお金の使い方としては、従来とは異質な制度です。

 国民の借金である「財投債」(財政投融資特別会計国債)の発行で調達した資金を、元本割れのリスクがある証券市場で運用し、その運用益を大学に配る仕組みです。これは、財投の制度が想定していなかった使い方です。

 誤解してはいけないのは、1…

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