「一生、香港には戻らない」 香港の周庭さん、カナダへの出国を公表

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台北=石田耕一郎
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 香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)氏(27)が3日、写真投稿アプリ「インスタグラム」で、今年9月に留学を理由にカナダに出国していたことを明らかにした。香港当局から12月末に一時帰郷し、出頭するよう求められたが、安全面を考慮してカナダに残ることを決めたという。

 周氏は投稿で「おそらく一生、香港に戻ることはない。ようやく逮捕に恐れる必要なく、言いたいことを語り、やりたいことを実行できる」と記した。

 周氏は2021年6月、未許可デモを組織するなどした罪での刑期を終え、釈放された。その当日、インスタグラムに黒一色の図柄を投稿した後、沈黙を続けていた。反中国的な言動を禁じた香港国家安全維持法国安法)による摘発を懸念していたとみられていた。この間、3カ月ごとに当局への出頭を求められ、精神的に追い詰められていたという。

■カナダ行きの条件は中国本土

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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2023年12月4日7時52分 投稿
    【視点】

    まずは、旅券が返還されるまで頑張った周庭さんに、おめでとうと申し上げたいと思います。逃げる術も奪われ、さぞ辛かったことと思います。2年間もの長きにわたって脅迫され続ける中国共産党の指示下で動く香港政府に精神を崩壊させられる瀬戸際だったのでは

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    倉田徹
    (立教大学法学部教授)
    2023年12月4日8時13分 投稿
    【解説】

    「ようやく言いたいことを語り、やりたいことを実行できる」との周庭さんの発言に、重いものを感じます。かつての香港には、民主主義は不十分でも、民主主義国家に劣らない言論の自由がありました。2019年抗議活動当時は、日本でも毎日のように発言が報じ

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