あごの骨が砕けても 「大井の帝王」が富士山になぞらえたプロ半世紀

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有吉正徳
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 10月16日、騎手・的場文男(67)の姿は浦和競馬場にあった。50年前のこの日、騎手としてデビューした。

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 「おめでとう的場文男騎手デビュー50周年記念」と銘打たれたメインの第11レース。的場は出走馬をコースにいざなう誘導馬に騎乗してファンの前に現れた。

 レースには出場しなかったが、その後の記念式典で花束を渡され、「体が続く限り騎手として頑張ります」と現役続行を約束した。

 プロ生活50年。記録が残る限り、地方競馬でこれほど長く現役生活を続けた騎手はいない。

 ホームグラウンドの大井競馬で21度、年間最多勝に輝き、「大井の帝王」と呼ばれる男は地方競馬歴代1位の通算7423勝(11月21日現在)を更新し続ける。

 好きな言葉は「一生懸命」。自分にできる限りの努力をする。50年間、4万3千回を超えるレースに騎乗し、「一生懸命」を続けてきた結果が歴代最多勝であり、21回の大井王者だ。

 1956年9月7日、福岡県で生まれた。7人きょうだいの末っ子。実家には荷を運ぶ馬がいた。4歳上の兄・信弘が佐賀競馬場で騎手になったのを追うように騎手を目指した。

 73年10月16日のデビュー戦はとんでもない結果に終わる。

 大井競馬場で14頭立てのレ…

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