第4回たくさんの抱っこがあっていまがある 小2が学ぶ、赤ちゃんの不思議
編集委員・大久保真紀
8人の赤ちゃんが登場すると、9月末の教室はとろけるような笑顔と歓声で包まれた。
大阪市立田島南小学校。「生きる」教育で、2年生は赤ちゃんについて学ぶ。
この日は、学校や高齢者施設で「命の授業」をしているNPO法人「ママの働き方応援隊」を通じ、子育て中の母親が自身の子どもを連れて学校を訪れた。2年生全員が集まった教室で、10人ずつ8班に分かれて母子を囲んだ。
2班のサキさんが「かわいい~」と声を上げた。子どもたちは順番に、お母さんに赤ちゃんを抱っこさせてもらい、満面の笑みを浮かべた。
「生まれたとき3キロだったけど、1年たっていまは何キロになったと思う?」。お母さんに問われると、「5キロ」「10キロ」と声があがり、「9キロ」と言ったキョウタさんにお母さんが「正解!」と声をかけた。キョウタさんは「やった~」と腕を突き上げた。
「生きる」教育は、大阪市立生野南小学校(現・田島南小)で開発された、独自の教育プログラムです。自己肯定感を高め、自分と相手を大切にする方法を学ぶことを目指しています。9、10月に各学年で行われた授業を取材しました。9回にわたってお届けします。
■ここにいるのは当たり前じゃ…