賀川豊彦を知って、生涯を異色の落語に ゴスペル亭パウロさんが披露

武田肇
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 徳島ゆかりの社会運動家、賀川豊彦(1888~1960)の生涯を題材にした異色の落語を、アマチュア落語家の「ゴスペル亭パウロ」こと小笠原浩一さん(61)が12日、徳島県鳴門市大麻町の賀川豊彦記念館で披露した。賀川の功績の顕彰や継承を目的に19日まで開催中の「第2回ゆうあいフェスタ」の一環。

 賀川は4歳から16歳まで徳島県で暮らし、21歳のときに神戸のスラムで貧しい人々の救済に取り組んだことを出発点に、労働運動や農民組合運動、生活協同組合運動に尽力した。関東大震災の直後、義援金集めに取り組んだことでも知られ、震災100年の今年あらためて注目されている。

 小笠原さんは49歳で落語教室に通い、キリスト教の聖書の教えを伝える福音落語に取り組んでいる。披露したのは「賀川豊彦・ハル物語」と「関東大震災から百年」の二つの演目。キリスト教徒で、ノーベル文学・平和賞の候補にもなった賀川の生涯や思想をわかりやすく伝える内容で、35人の参加者は時々笑いながら耳を傾けていた。

 地元の和歌山市で生協職員を32年続けた経験を持つ小笠原さんは「賀川はあこがれの人。ゆかりの地で演じることができて感無量です」と語った。主催した賀川豊彦記念・鳴門友愛会の久積育郎理事長は「今後も多様な方法で、賀川を知ってもらう機会を作りたい」と話していた。(武田肇)

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