「仲間 残念無念」「誇り」元大関・朝潮死去 地元・高知で悼む声

蜷川大介

 高知県出身の元大関朝潮で、先代の高砂親方だった長岡末弘さんが67歳で亡くなった。訃報(ふほう)に接した県内の関係者に悼む声が広がった。

 長岡さんは室戸市出身で同市立佐喜浜小、高知市立愛宕中、県立高知小津高で学んだ。近畿大で学生・アマ2冠を2年連続で達成してから角界入り。大関だった1985年春場所で優勝し、引退後は若松部屋で師匠になり、高砂部屋を継承した。

 同学年で高知農高、東京農大で相撲をしていた藤戸博康さん(67)=芸西村=は「同い年で同じスポーツに取り組んだ仲間。残念無念です」と語った。高校時代から何度も対戦し、大学時代には一緒にハワイ遠征もした。「彼の相撲は頭からぶちかまし、左を差し、右を浅く取って、がぶり寄り。高校の終わりごろから強くなった」と振り返る。

 東京の実業団に進んだ藤戸さんは、角界入りした長岡さんと何度も食事した。いまは芸西村で接骨院を営む藤戸さんは「現役引退後も高砂部屋を運営して日本相撲協会理事を務め、朝青龍を横綱にした。情がありすぎて優しかったから、激務にストレスもあったでしょう」と思いやった。

 室戸市の植田壮一郎市長(67)は佐喜浜小の同級生。幼少期から体の大きかった長岡さんは「大(だい)ちゃん」と呼ばれており、同窓会でも活躍ぶりがよく話題になったという。「朝潮の活躍は同級生の誇りや励みになった。多くの県民が元気をもらったと思う。亡くなった実感がまだ湧かないが、高知の偉人として頑張ってくれたことに感謝しています」としのんだ。(蜷川大介)…

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