万博、なぜ開催にこだわる? 経済効果「2兆円」、実現は入場者次第

 2025年に予定されている大阪・関西万博の建設費を最大2350億円に再増額することについて、大阪府・大阪市と経済界が受け入れる方針を示した。国も近く認める方向だ。物価上昇で生活が苦しくなる中、当初の想定を大きく上回る税金を投入し、国民に負担をより強いてまで、開催にこだわるのはなぜなのか。

 万博誘致が本格的に動き出したのは2014年のことだった。当時、松井一郎・大阪府知事、橋下徹・大阪市長を送り出していた地域政党・大阪維新の会が、大阪都構想の是非を問う住民投票に向けて公表した政策集に盛り込んだ。

万博誘致に動いた大阪、安倍政権も後押し

 狙いのひとつが、大阪湾の埋…

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    小林恭子
    (在英ジャーナリスト)
    2023年10月20日18時36分 投稿
    【視点】

    始めに「開催ありき」で決まった万博だとしたら、その後、大きく予算が膨らんだことで、国民の怒りは大きいと思います。 筆者自身も、「もうやめてしまえば?」と思うことがあります。これから生活費もどんどん上がりますし、「そんなことをしている場

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    西岡研介
    (ノンフィクションライター)
    2023年10月21日15時45分 投稿
    【視点】

    そもそも……を振り返る良記事。今後も、ことあるごとに振り返っていただきたい。それによって、この「ほとんどの国民に歓迎されていないお高くつくイベント」を、どんな人たちが、何のために強行しようとしているのか、よく分かるので。

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