サハロフ賞にイランのマフサ・アミニさん EU「敬意を表します」

ブリュッセル=牛尾梓
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 欧州連合(EU)の欧州議会は19日、今年の「サハロフ賞」を、イランで昨年9月、女性が公共の場で髪の毛を隠すために着用を義務づけられる「ヒジャブ」(ヘジャブ)をめぐって逮捕され、その後死亡したマフサ・アミニさんと、イラン全土で起きた女性の自由を求める抗議運動に贈ると発表した。

 サハロフ賞は、旧ソ連の反体制派物理学者サハロフ氏の名を冠し、1988年に創設され、人権や民主主義を守る活動をしてきた個人や団体に贈られる。ロベルタ・メツォラ欧州議会議長は「彼女の残忍な死は転機となり、歴史に残る女性運動を引き起こした。イランの勇敢で挑戦的な女性、男性、若者たちに敬意を表し、賞を贈ります」と述べ、会場ではスタンディングオベーションが起きた。

 当時22歳だったアミニさんの死をきっかけに、イラン各地で「女性、命、自由」をスローガンに、女性の人権尊重を訴える抗議デモが拡大していた。

 イランの女性運動をめぐっては、ノルウェーのノーベル委員会が今月、「イランにおける女性の抑圧と闘い、すべてのひとの人権と自由を促進した」として、イランで収監中の人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)に今年のノーベル平和賞を授与すると発表したばかり。モハンマディさんは獄中から、イラン政府を非難するSNS投稿を続けていた。

 授賞式は12月に仏東部ストラスブールで行われる。(ブリュッセル=牛尾梓

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