東海第二原発で防潮堤の基礎に隙間や変形 一部の工事中断で影響も

張守男
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 来年9月の完了をめざす東海第二原発茨城県東海村)の地震や津波に備える安全対策工事について、日本原子力発電は16日、防潮堤の基礎部分に複数の不備が見つかったと発表した。発覚した6月から防潮堤工事の一部を中断しており、工期に影響する可能性がある。

 不備が見つかったのは、防潮堤の取水口付近にある防護壁の南基礎と北基礎。原電によると、それぞれ基礎は15・5メートル四方で、地下50メートル付近まで打ち込まれている。地中の壁面の一部にコンクリートが詰められていない隙間があったり、鉄筋が変形したりする不備が確認されたという。

 隙間が生じたことについて原電は、地下の地盤が粘土質で周りの土などが入り込んでコンクリートが流れなかった可能性があると説明。鉄筋の変形は、掘削する際に重機が当たった可能性があるという。

 今年6月9日に発覚して工事を中断。不備があった範囲や、防潮堤の強度と工期への影響も調査中という。同社は今月16日、原子力規制庁に報告した。

 原電の発表に先立ち、共産党の県議や東海村議らが県庁で会見。この工事に関わっていた元工事関係者から、現場で虚偽報告などが起きていると告発を受けたという。この関係者は「コンクリートの入っていない基礎は腐食も早く強度も保てない」と訴えている。県議らは「来年9月の工期が最優先になっているのではないか」と主張している。(張守男)

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