分裂深める世界を識者と探る 自由主義や民主主義を維持するすべは

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コーディネーター・宮地ゆう
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 「朝日地球会議2023」では、世界的な識者を交えて、世界の現状、自由民主主義や資本主義の行方を議論した。

 「2024年変わる世界秩序 新しい時代への視座」と題した第2部のパネル討論では、米政治学者フランシス・フクヤマさん、独哲学者マルクス・ガブリエルさん、仏歴史学者エマニュエル・トッドさんを事前取材した動画を上映。3人の意見を踏まえ、登壇した政策研究大学院大教授の岩間陽子さんと、東京大東洋文化研究所長の中島隆博さんが議論した。

 いま、世界で何が起きているのか。海外の3人が一致したのは、不平等の拡大によって世界で起きるリベラリズム自由主義)や民主主義の衰退だ。トッドさんは「グローバル化で製造業は欧米の外へ移り、世界規模の労働力の搾取が起きている。これが世界と西欧との対立を生んだ」とし、米国は「世界の歴史上、例をみない不平等な国になった」。ガブリエルさんも「少数があまりに多くの経済力を手にするのは本来の資本主義の姿ではない」と話した。

 中島さんは「資本を投下し、回すことで豊かになるのが資本主義だ。だが、一部の富裕層が富を積み上げ、富が資本に回らなくなり、不平等が拡大している」と指摘した。

リベラリズムの危機

 岩間さんは、欧州の中心であ…

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