エマニュエル・トッド氏は語る「未来は悲観的なものばかりでない」

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渡辺志帆
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 「ウクライナ戦争は現実を確かめる究極の試金石です」

 歴史家のエマニュエル・トッド氏は、ウクライナ戦争は西欧の衰退を映す鏡だとみる。グローバル化の末に国内の工業生産能力を失った西欧は指標の上では今もロシアやその同盟国を大幅に上回る経済力を持つ。だが、長期化する戦況は、もはやそれが虚構にすぎないことを示しているのだという。

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エマニュエル・トッドさんが登壇(オンデマンド配信)する「朝日地球会議2023」は10月9~12日、リアルとオンラインのハイブリッドで開催します。9~11日は東京・有楽町朝日ホールに読者の皆様を招待し、同時にライブ配信。12日はオンライン配信のみです。参加費は無料。事前登録が必要です。

 インドやトルコ、アフリカ諸国などグローバルサウスの国々がウクライナ侵攻後もロシア寄りに立つのも、トッド氏に言わせれば当然だ。西欧諸国はグローバル化の過程で「不労所得者国家」と化し、世界の労働力を新たな形で搾取した。また、保守的な国々にも自分たちのリベラルなイデオロギーを押しつけてきた。「ロシアが世界から好かれる理由はたくさんあるのに、私は、私たち自身がそれに驚いていることにただ驚いています」。そしてこうも言い切る。「今、西側諸国が戦争に勝てないことは明らかです」

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