ノーベル化学賞の技術、PC画面などに活用 「すし好き」の受賞者も

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福地慶太郎 東山正宜 松本千聖
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 スウェーデン王立科学アカデミーは4日、今年のノーベル化学賞を、10万分の1ミリ程度という極めて小さな粒子「量子ドット」の技術開発に貢献した米国の3氏に贈ると発表した。技術はテレビなどのディスプレーで使われており、太陽電池量子コンピューターなどへの応用も期待されている。

 受賞が決まったのは、米マサチューセッツ工科大のムンジ・バウェンディ氏(62)と米コロンビア大のルイス・ブルース氏(80)、米民間企業の元主任研究員アレクセイ・エキモフ氏(78)。

 ものの性質はふつう、素材で決まる。たとえば10円玉が赤茶色で電気を通すのは、銅などでできているからだ。だが、100万分の1ミリを意味する「ナノメートル」単位の小さなものだと、その性質は素材よりもむしろ「大きさ」で決まるようになる。

 超微小な世界を支配する「量子力学」による効果で、理論的には20世紀前半から知られていた。ただ、そこまで小さなものを作る技術がなく、効果を実際に確かめた人はいなかった。

 エキモフ氏は1980年代初…

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