上野水香さん魅せる「風格とゴージャスさ」 若手と作るバレエの祭典

斉藤佑介
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 東京バレエ団ゲストプリンシパル上野水香さん、サンフランシスコ・バレエ団のプリンシパル倉永美沙さんら一線で活躍するプリマと、若手のダンサーがつくりあげる「グラン・ドリーム・バレエ・フェス2023」が10月8、9の両日、愛知県芸術劇場名古屋市東区)で開かれる。オーディションで選ばれた若手ダンサーら約200人とともに踊る。

 憧れのプリマを前に、幼い踊り手たちは興奮を隠しきれずにいた。8月、名古屋市の稽古場にサプライズで登場したのは、上野水香さんだった。

 演目「パキータ」を稽古していた未来のバレリーナの中には、驚きのあまり言葉を失う子も。稽古を見守った上野さんは「こうすると見栄えがよくなる」「もっと素敵になる」と、身ぶり手ぶりで助言した。

 「パキータ」は、スペインの山中でフランス士官リュシアンと、主役のパキータが身分違いの恋に落ちる物語。クラシックの名作として知られる。主演の上野さんは「華やかなテクニックもあるが、主役が風格をもって出てくることで光る作品」と語る。

 国内外でキャリアを積み重ね、昨年には芸術選奨文部科学大臣賞を受けた。上野さんは「ある意味芸術家としての器量が問われる。つくり込まず、そこにいるだけでゴージャスさが自然とにじみ出るといい」。

 若いダンサーにとっても大きな経験だ。「私も偉大な一級のダンサーと同じ舞台で、同じ空気を共有することで自分にしみ入るものがあった」と振り返る。

 稽古場を離れる際、小学生の踊り手たちが出口まで見送った。「本当に元気をもらえます。みんなで和気あいあいと楽しみながらつくり、踊っている方も見ている方も楽しめる舞台になれば」と上野さんは話す。

 フェスは10月8日午後4時開演、9日は午後2時開演。残席わずかで、B席6千円、C席4千円。問い合わせは東海テレビチケットセンター(052・951・9104)へ。斉藤佑介

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