新たな最低賃金、10月から適用開始 平均1千円超も「まだ不十分」

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記者解説 経済部・田幸香純、三浦惇平

 雇い主が働き手に支払う「最低賃金」が、10月から各都道府県ごとに順次引き上げられる。東京や神奈川、大阪や愛知などでは1日から上がる。全体的な水準を示す全国加重平均は1004円となり、時給1千円を初めて超えた。賃金の底上げにつながるが、これで十分だとは言いにくい。

 最低賃金は、厚生労働省の審議会が引き上げの目安を示した後に、都道府県ごとに決められる。

 今年の改定では最も高い東京(1113円)をはじめ、神奈川、大阪、埼玉、愛知、千葉、京都、兵庫の8都府県が1千円を超えた。全国加重平均の引き上げ額は43円(4・5%)。現行制度となった1978年以降で見ると、時給ベースでは過去最大だ。

 引き上げの要因は、物価の高止まりが家計を圧迫していることだ。労使の代表と学識者でつくる厚労省の審議会では、労働者の生計費と一般的な賃金水準、企業の支払い能力の三つの観点を考慮することになっている。今回は生計費が特に重視された。

ポイント

 物価高を受けて最低賃金は過去最大の引き上げ額となり、全国加重平均は1千円超に。水準は主要国のなかではまだ低く、生活を維持するのに不十分だとの指摘もある。引き上げにともない人件費が増えるところもあり、中小企業への目配りが必要だ。

 労働者側は物価高を反映した…

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