東京で出会える野生の生き物って? 田舎出身の記者が夜の森を歩いた

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小林恵士
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 岡山県の中山間地域で育った記者は子どもの頃、日常的にヘビやトンビ、タヌキなどを目にしていた。東京勤務になり約10年。「生き物、会わないなあ」。そう思っていたが、実は東京、意外と生活のすぐそばで、野生の生き物の息づかいを感じられるらしい。

 そう教えてくれたのは、西武線の東大和市駅近くにある「遊歩堂珈琲(コーヒー)」(東京都小平市)の店主、里中遊歩さん(57)。動物ライターでもあり、動物関連のトークイベントなども手がける。店の近くを流れる「玉川上水」や「野火止用水」に沿って歩く野鳥観察ツアーを年に数回開いている。

 8月中旬の夕方、里中さんや店のスタッフと一緒に野鳥探しに出かけた。東大和市駅から玉川上水駅へ線路沿いを歩き、玉川上水の脇を歩いて戻るコース。周辺には雑木林が広がる。

 狙うのは、暗緑色がキレイなアオゲラや、鳴き声が「ちょっと来い」に聞こえるコジュケイ、色鮮やかなカワセミなど。高いマンションやフェンスのてっぺんにとまって獲物を探す、オオタカなどの猛禽(もうきん)類がいることもあるという。一眼レフに500ミリの望遠レンズを取りつけ、歩き始めた。

 しかし、耳に入ってくるのはセミの声のみ。里中さんによると、木の葉が茂る夏は見つけにくい上、さえずりがセミの声にかき消されるので、観察には向かないらしい。コツは、焦点を合わせず視界全体を見て、枝とは違うシルエットや、不自然に動いている葉に気づくことだという。

野鳥探しの後、記者は里中さんの案内で、東京都と埼玉県の境に広がる狭山公園に。夜の緑地で、何に出会えたのでしょうか。

 木の枝に目をこらしていると…

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