第2回行方不明の父が帰宅、母は教祖に傾倒した 救助された後も洗脳解けず

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 餓死すればキリストに会える――。

 教祖の言葉に従った信者が断食を行い、400人以上が遺体で見つかる事件を引き起こしたとされるケニアのカルト教団「グッド・ニュース・インターナショナル教会」。

 これまでに約100人が救助されたが、6月には食事を拒否して自殺を試みた容疑で65人が逮捕された。

 教団によって家族をばらばらにされたり、身内を死に追いやられたりして、餓死寸前の状況から救助されてもなお、信仰を捨てられない人たちがいる。

財産を売り払っての高額献金、一家離散、親に入信させられた2世信者……。新興宗教による深刻な社会問題が起きているのは、日本だけではない。ケニアで起きた、カルト宗教による集団餓死事件を追った。

 ケニア東部の町マリンディに暮らすペイシェンス・ザワディさん(28)は5月上旬、母親のジュディスさん(47)が教団の聖地「シャカホラの森」から救助されたと隣人から聞き、舞い上がった。

 母は約100キロ南にあるモンバサの治療施設に運ばれていた。面会は許されなかったが、電話で話をすることができた。「母の声はとても弱々しかった。体もやせ細っていたそうです」

意を決して聞いた妹たちの安否

 だが、母とともに教団に入った13~22歳の妹3人は救助されていなかった。

 ペイシェンスさんが意を決し…

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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2023年8月19日11時0分 投稿
    【視点】

    人はなぜ宗教にのめり込むのだろう、と考えさせられる記事です。 紀藤正樹氏と山口貴士氏の共著「カルト宗教」(2007年)は、アメリカにおける研究論文を翻訳紹介したものですが、その中でカルト信者への虐待の一類型で長期の休学を許可する、学校に活か

    …続きを読む