アジアと欧州つなぐ交易の都 かまどで作る炊き込みご飯はパンと共に

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聞き手・大村美香
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 油でツヤッと輝くご飯の上には、ニンジンとほぐした肉がたっぷり。ご飯にはうまみが染み込んでいて、粘りがなくパラリとした口当たりと相まって、スプーンがとまらない。ほろほろとした肉と甘みの濃いニンジンが、良いアクセントになっている。この「プロフ」は、ウズベキスタンの代表的な料理だ。東京・高田馬場でウズベキスタン料理店を営む、アリズィクロブ・アクマルさん(36)に、ウズベキスタンの食と生活について話を聞いた。

 プロフは店の看板メニューです。コメを炒めた肉、ニンジンなどの野菜と共に炊き込みます。

 どこの家庭でも1週間に1度は食べますし、街には専門店がたくさんあります。人が集まって食事をする時にも必ず出てきます。日本の「すし」みたいな存在です。私も子どもの頃から大好き。毎日食べても飽きません。

 ウズベキスタンは、中央アジアの真ん中に位置し、ヨーロッパとアジアをつなぐ交易の要所として古くから栄えてきました。料理も欧州とアジアの要素が入り交じっています。パンが主食で羊肉の料理に添えて食べ、プロフにもパンが付きます。うどんに似ている小麦の手延べ麺「ラグマン」も、広く食べられています。

 大陸性の気候で、夏は暑く気温が40度以上に。冬は寒くて零下15度にもなります。ただ乾燥しているので、暑い夏も、木の下や朝夕は涼しく過ごしやすい。

 強い太陽の光を浴びて育つ野菜や果物は、味が良いことで知られています。特にメロンとスイカは甘くて香りが高い。ロシアなどに輸出もされている特産品です。

 私は留学生として日本へやって来ました。ウズベキスタンの大学では経済を専攻し、外国の大学院へ留学しようと考えました。先に日本に留学していた友人に「安全な国だ」と勧められたのです。

 日本は安全安心で、日本人には優しくて頑張る人々というイメージがあります。旧ソ連時代、第2次世界大戦後に抑留された日本人捕虜たちが、ウズベキスタンにも送られました。(強制労働で)彼らが首都タシケントで建設した劇場は、今でも利用されています。(1966年に)街が大地震に襲われたことがあったんですが、その時も倒壊せずに残ったんです。

 大学院を卒業し日本で就職し…

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